彼の存在が目に付くようになったのは、いつ頃からだったか。 彼と話が出来るようになったのは、いつ頃からだったか。 そして―――彼の事しか考えられなくなったのは。 ・・・・・・記憶は、あまりにも頼りなくて。 でも、それ以上に。 彼に、逢いたいと。 話をしたいと思ってしまう、私は。 なんて、愚か。 自分から、突き放そうとしたというのに。 彼の記憶に私が残っているとも考えられないのに。 どうして、まだ。 彼を、見つけてしまうのだろう。 彼と、話したいと。 願って・・・しまうのだろう。
すきだから、突き放したい。 今でも充分満たされてる、 満たされてる・・・けど。 満ちていると、怖くなる。 もっと、もっと欲しくて。 そんな感情は止めることができなくて。 お願い、すきだなんていわないで。 今の私は、それより上の言葉はもう知らないの。 お願いよ、ただの友達でいさせて。 それ以上を求めるのは、私が愚かなだけだから。 この感情で、もう少し遊んでいたいの。 あぁ、こんな事なら。 出逢わなければ、よかった。 こんな感情も知らずに済んだかもしれないのに。 今の私は、感情が壊れてるわ。 満たされれば満たされるほど、もっと欲しくなる。 欲する心は、尽きる事を知らない。 手に入らないなら、この手で壊すわ。 ・・・・・・・・・・・・お願い・・・だから。 私に『普通』な感情をちょうだい。 私を、元に戻して。 貴方を知らなければ、こんな風になってなかった? 貴方が消えれば、私は戻る? ・・・・・・違う、よね。 多分、自分が一番わかってる。 でも、自分が一番わかってないの。 たすけて、たすけて、たすけて。 誰か、私を。 現実に居る『私』を、たすけて。