―――全く、どれだけ単純な人間なんだろう。 ただ1つの、小説を読んだだけで。 こんなにも、辺りが変わってしまうだなんて。 こんなにも・・・穏やかに、時を感じるなんて。 登校している時から、ずっと。 流れる時間は、ゆっくりと穏やかで。 これも、あの小説のせいなのだろうか。 これほどまでに、私を落ち着かせるのは。 ―――始業のチャイムが鳴り、 また憂鬱にも授業が始まる。 国語の教科書、206ページ。 ――あぁ、どうして。 こんなにも、単調に感じてしまうのか。 どうして、こんなにも、単調な文章が。 そう考える自分に、少し苦笑し。 さて、授業を受けましょうか。『普通』って、何ですか。 本当の『自分』って、何ですか。 解らない、解らないのよ。 自分を偽って、偽のことがいつの間にか『普通』になって、 既に心はぼろぼろ。 よく、『何でもっと普通に出来ないの』って言われるけど、 『普通』が解らないんだからしかたないじゃない。 もう、それまで自分がどう振る舞ってきたのかも忘れたんだから。 私はもう、どれが本当の『自分』なのか解らないんだから。 『普通』って、何ですか。どこまでも、私は追い求める。 現実に存在するはずのない、その姿を。 私の、心を癒してくれる・・・彼を。 誰にも、邪魔などさせはしない。